コンサートホールは、世界でも最もユニークなホールの一つであり、１００年以上にわたりバルセロナの国内外のコンサート世界の重要な舞台となっています。世界初演を数多く開催し、国の交響楽や合唱音楽の指標となっています。ステージ上のオルガンに囲まれ、中央の天窓は太陽を象徴しており、自然光を楽しむことができます。

神秘的で逆説的なホールには、舞台を囲むミューズたち、天井から現れるワーグナーのワルキュ―レ、片側にはアンセルム・クラ―べの胸像やもう片側にはベートーヴェンの胸像、そして花やヤシの木、果物などの自然の要素が散りばめられています。

パラウ・デ・ラ・ムジカのもう一つの小さな宝石は、オルフェオ・カタラのリハーサル室です。ここは、親密で居心地の良い空間で、小規模なコンサート、講演、発表が行われ、オルフェオ・カタラーニの合唱団が練習をする場所でもあります。ここには、1905年にパラウの建設中に置かれた最初の石があります。半円形のアーチ座席ホールは、すぐ上にあるコンサートホールのステージの半月形に対応しており、カタルーニャのモダニズム様式に典型的な大きな柱、ステンドグラス、装飾が特徴です。

パラウのファサードは、サン・ペレ・メス・アルト通りに位置しており、1989年まで唯一の入口でした。ここはアマデウ・ビべス通りと交差しており、彫刻家ミケル・ブレイの作品『カタルーニャ民謡』の彫刻群が含まれています。これはフレデリック・ベキーニによって実物よりも大きなサイズで再現されており、サン・ジョルディ（聖ゲオルギウス）が描かれています。中央には女性像は音楽の象徴であり、周囲には船員、農民、高齢者、子供たちなどを表現したキャラクターが描かれています。 これは彫刻家ブレイの最高傑作とされ、社会的な感受性と調和の取れた構成を特徴としています。彫刻の足元には、カステルベル侯爵（ジョアキム・デ・カルセール・イ・ダマット）によって資金提供され、１９０９年９月８日に開会されたことが刻まれた碑文があります。二つの狭い通りにまたがる角の複雑なファサードは、全体を一度に見ることを難しくしています。 このファサードの他の要素には、大きなレンガの柱とセラミックで装飾されたアーチがあります。これらの柱の中には、元々のチケット売り場がありました。１階には、１４本の柱が２列並んでモザイクで覆われたバルコニーがファサードに沿って設置されており、各柱には異なる模様があります。２階には、音楽家の胸像が柱に据えられており、左から右へ順番に、パレストリーナ、バッハ、ベートーヴェンが描かれています。角の彫刻群を過ぎると、アマデウ・ビべス通りにあるワーグナーの胸像が見られます。 このファサードの上部には、リュイス・ブルによる大きなモザイクのフロンティスがあり、アントニ・マリア・ガリッサの作品「オルフェオの旗」を象徴しています。、中央にはルエカ（糸車）を持った女王が祭りを主催している様子が描かれており、これはジョアン・アルコーベルの詩『ラ・バランゲラ』に基づき、アマデウ・ビべスの音楽に合わせたもので、オルフェオで最も演奏されている曲の一つであり、１９９６年からはマヨルカ島の国歌となっています。

パラウの代表的な空間の一つが、オルフェオ・カタラの創設者であるミレット先生に捧げられた象徴的なリュイス・ミレットホールです。
このホールは二階建てで、素晴らしい印象的花のモチーフで飾られた大きなステンドグラスで囲まれています。
そして、これらのステンドグラス越しに見えるバルコニーは、特徴的な色合いや装飾が施された二重の柱廊があり、さらに特別なものとなっています。

パラウのフォイエもまた特別な舞台です。ここは、オーディションが行われる時も、レストラン・カフェテリアとして使用される時も、多くの人々が椅子やテーブルに座ることができる広い空間です。レンガで作られた広いアーチと、緑色のガラス製タイルやピンクと黄色の花柄が施された陶器が組み合わさっており、この空間には独特で非常に特徴的な色合いが与えられています。